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あっちこっちシアターインフォ(八戸情報誌 amuse 2014年4月号)

文:春日千春/(株)アート&コミュニティ

スマート・モリソンズ「スマモリ」~島守の島守による島守のための島守的コンビニ~

誌面表示  2月22日、八戸市立島守保育所に1日限定のコンビニ「スマモリ」が開店しました。このコンビニ「スマモリ」は、平成25年度で閉所となる島守保育所に、これまでの感謝の気持ちを伝えようというプロジェクト「ありがとう島守保育所」から誕生しました。このプロジェクトの仕掛人は、アーティスト定住実験プロジェクトで南郷区に引っ越してきた山本耕一郎さんです。
 「スマモリ」の店内には、図書館、子育て情報交換、駄菓子屋、子連れカフェ、レジ袋を利用したコンビニールプールなどの手作りブースが設置されました。保育所の同窓生である小学生が、子ども店長としてレジに立ち、店に並ぶお菓子(中身は写真等の思い出の品入り)のパッケージデザインは、保育所の児童が制作しました。また、コンビニには欠かすことのできないロゴマークは島守小学校の児童が考え、テーマソングは保育所の卒園生や地元の若者による「島守保育所を語る会」メンバーが作詞し、保育所の児童が歌入れをするという徹底ぶりです。
 クラッカーとテーマソングの合唱で開店したコンビニ「スマモリ」には、子どもから大人まで、たくさんの人が訪れました。途中、休憩を取る時間があるだろうと読んでいたスタッフも、なかなか休憩がとれないほどでした。この日はコンビニ営業の他に、地元の荒谷えんぶり組による舞の披露や、卒園生や保育所を語る会メンバー、先生も交えた思い出トークが行われ、保育所へ感謝の気持ちを伝えると共に、保育所の楽しい思い出を皆で共有するとてもいい機会になりました。
 このコンビニを作るきっかけになったのは、「島守保育所を語る会」の作戦会議や、住民へ実施した島守保育所の未来アンケートでした。これらの中から出てきた「あったらいいな」という声を実現させたのが、このコンビニ「スマモリ」です。この企画を通じて、島守に住む人が「自分達でも出来る」という自信が持てるようになればいいと山本さんが言っていました。たった1日だけのコンビニでしたが、皆の「あったらいいな」という希望が「自分達でも出来る」という確信に変わった1日だったと思います。またコンビニ「スマモリ」がオープンするのは、そう遠い未来ではないかもしれません。


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