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あっちこっちシアターインフォ(八戸情報誌 amuse 2015年05月号)

文:柾谷伸夫(八戸市公民館々長)

50年ぶりの共演っ!! 八戸市公民館特別企画『息子』『9人のおかしな人たち』に寄せて

誌面表示  50年前、演劇部々室での会話。
「先生、小山内薫の『息子』、先生と演りたいんですが。先生が老爺で、僕が息子で。」
「バガっこァい。高校生のウがんどだば無理だ。大人になってがらだ。」
「じゃァ、大人になったら……。」
 顧問は、あの故・神亮一先生。八戸に戻って演劇活動を始めて、しばらくして、あの約束をと思ったが、先生が体調をくずされて日の目を見ることはなかった。
 三年前、ポータルミュージアムはっちで開催された母校の創立百二十周年記念のイベントに演劇公演を依頼された。長年の懸案だった演劇部OBによる『息子』ができると思った。老爺役はこの人しかいないと心に決めていた二年先輩の袴田蓬々(健志)氏に声をかけた。演劇部では、僕が1年生で、彼は部長の3年生だった。彼の創作脚本で、三本木高校で行われた県大会に出場した思い出がある。
 ところが、隣町の教育長職だった彼は、仕事の関係で、稽古に参加するのは難しいということで立ち消えになった。代わりに、僕の一人芝居『海村』を上演した。
 そして今回、教育長職を辞したことで、ようやく念願の『息子』に取り組むことができることとなった。高校卒業以来、50年ぶりの共演だ。神先生との約束とは違った形で、演劇部OBでの上演が実現するはこびとなった訳だ。また、この3月まで、長く母校の演劇部顧問を務めた、袴田・柾谷より一回り以上後輩の杉山康仁氏が捕吏役に挑戦してくれる。
 もう一つ心に決めていたことがある。演出は、僕の大好きな三浦哲郎氏にと。彼は、故・小寺隆韶先生に薫陶を受けた、八戸北高校演劇部OBで、現在東京で演劇活動を続けている。八戸では、僕の所属する演劇集団ごめ企画で、『アルジャーノンに花束を』や小寺先生の遺作となった『コーヒー』『タンポポ』などの演出を担当している。 招聘した三浦氏のきめ細やかな演出に翻弄されながら、我々3人は、役造りに苦しみながらも充実した毎日を過ごしている。
 同時上演のうみねこ演劇塾シニア塾生による『9人のおかしな人たち』も三浦氏にみて貰い、好評だった1月の公演とは、また違った舞台が期待される。柾谷演出とは違った観点でのダメだしに、出演の9人の塾生の皆さんは、前回以上に、前のめりの稽古に励んでいる。喜劇だが、このままいけば笑劇?になる心配をしている。とにかく楽しい。面白い。稽古をしている塾生は確実に10歳若く見える。嘘だと思ったら、是非会場でお確かめ下さい。……ん?
 冗談はともかく、開幕をドキドキしながら待っている。『息子』組も『おかしな9人の人たち』組も、必ずや、お客様方の心に響くメッセージを送り届けてくれるだろう。
 皆さまのご来場を心からお待ちしております。


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