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アミューズ(地元雑誌)2001年2月号掲載原稿

文:田中勉(八戸・スペースベン主宰)

「新春トーク」

−2001年の新しい世紀を迎え るに当り、今回もFANSに関わ っていただいているお二人にお集 まりいただきました。言わずと知 れた?お一人は毎月第3週に「プ ラスワンシアター」として上演し 続けている安達良春氏、あと一方 は新世紀の第1弾の、このアミュ ーズのステージの原稿を執筆して いただいた、山田景子さんです。 今回も、私、田中が司会をさせて いただきます。
 よろしくお願いします。
山田「遅ればせながら、あけましておめでとうございまーす。」
安達「今年もよろしくお願いします。」
−ところで山田さん、1月号の「〜捨てゆく世紀へ〜超短編小説、ゲロおばちゃん…」は、なかなか評判がよかったようですね。
山田「そうなんですよ。前から書いてみたいものでもあったんですけど、あの時は何か閃いたというか、世紀の変わり目だからという訳でもないんですが、タイミングが合っちゃったかなっいう感じでしょうかね。」
安達「イヤー、ちょっとリアルで気色悪いところもあったすけど、面白かったっすっすよ。」
山田「でも、ひと昔前の長横町もああいう雰囲気あったって聞いたことありますけど…」
−あ、よく知ってますね。ひと昔前は、長横町でも、ごみ箱のポリ バケツに頭突っ込んでゲロ吐いてそのまま寝込んだりしてた人、結 構いましたもんね。
安達「そうなんですか?」
山田「20世紀と21世紀って暦の上では、ただ単に日めくり1枚めくるだけなんて思ってましたけど、何か実際立ち会ってみると、ちょっと感慨深いものがありましたよね。あの短編小説を書けたのも、さっき言ったように、何かに押されたと言うか、動かされたものがあったんじゃないかと思ったりもしますね。」
−世紀の変わり目ですか…。
安達「そう言えば、今年の市長の新春の挨拶を新聞で拝見しましたけど、今年のテーマというか、目標というか、去年までとは違ってましたよね。『新世紀、時流への対応と前進』。なかなかいいですよね。去年までの『光を求めて…』よりはずっといいと思います。新幹線開業が現実になったという意味もあるかも知れませんけど、今の時代、昔の財産で食ってるというか、新しいものに挑戦できる大人は少ない中で、流石だと思いました。」
山田「昔の財産で食ってるって?」
安達「んー、何て言ったらいいのかな。『何十年も生きてきて、今更やり方変えられない』とか、今の時代のニーズを把握していないのに、このやり方が正統派だとか思ってる人が結構いますよね。やり方っていうのは、時代時代で変わっていくものだと思ったりするんですよね。」
山田「確かに、今の時代に合わせて時代に媚びるっていうのと、アンテナを張り巡らせて、何歳になっても一生懸命でいるっていうのは全然違うことだよね。」
−私も、人脈で仕事をするっていうのは嫌いですし、芝居の公演でスポンサーになっていただくにしても、企画書を持って、飛び込みで営業をして、人脈ではなく、企画で採用してもらえるような形態になっていかないものかと思ったりもしますよね。
山田「それはなかなか難しいところがあるかも知れませんけど、気持ちはそう持ち続けたいですよね。」
安達「企画で飛び込み営業すると言えば、ちょっと話しは変わりますけど、何か、『イカノフ』とかいう集団が立ち上がろうとしているとか伺いましたけど、どういうものなんですか?私も『創造集団パノラマ屋』とかやってますんで、新しいものには、ちょっと興味があるんですけど…。」
−はい。私もメンバーに誘ってい ただいて参加しているんですが、今年の9月に美術館で何か作品を 創れないかということで、最初はモレキュラーシアターの高沢利栄 さんが提案したものなんですけど、今では広がりを見せてます。もと もと演劇の上演を目的とした集団 ではなく、しなやかに形を変えな がら「表現とは何か?」でもない ですけど、やる側と観る側の双方 向の表現を具体的にしていきたい という集まりですね。高沢さんの意図とはちょっとずれてるかも知 れませんが、演劇を目的ではなく、手段と考えている私には合ってる のかもしれません。しかし、「イ カノフ」とは「烏賊の附」をかけ てるところもあるんでしょうが、面白いネーミングですね。とりあ えずというか、9月は「KEITAI」とか「SYASINN」を モチーフにした作品を創ろうとしているようですね。
山田「私にとっても演劇は、表現の手段の一つですけど。」
安達「写真ですか…。その時は、是非私にも出品させて下さい。」
−詳しくは来月号で紹介したいと思います。今日はありがとうござ いました。山田さんもそろそろ作品創ろうね…。


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