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アミューズ(地元情報誌)2001年3月号掲載原稿

文:米内安芸(ICANOF<イカノフ>代表)

 「イカノフに入りませんか」

 イカノフでは、今年9月21日から10日間、八戸市民が主体となり、単なる写真展ではない、みんなが参加・体験できて広く楽しめる「写真を軸にしたメディア・アート・ショウ」を八戸市美術館で催します。新しい世紀を迎えたこの年に、市民参加型の美術展は意義深いものになるでしょう。

 著名な二人の写真家も参加していただくことに決まりました。若くして昨年土門拳賞受賞の金村修氏とサントリー学芸賞受賞された港千尋氏です。お二人の受けられた賞はともに写真の世界では他にも有るメジャーな賞と違い、内包する芸術性はより高く、ちょうど芥川賞や直木賞のようなものに相当します。このことは、単に写真を愛好される人ばかりではなく、広い分野の方々に楽しんでいただけることになると思います。

 通常このようなビッグな賞を受賞された方を二人もお呼びすることも難しいのですが、市民誰もが参加できるワークショップまでもお引受けいただいております。金村さんのオリジナルプリントを早速見せて頂いたのですが焼き付けの見事さ、フレーミングの鋭さなどどれをとっても大賞受賞者の力をまざまざと見せつけられた思いでした。こういう写真家から直接指導を受ける機会は、なかなか得られるものではないと思います。

 イカノフとは、ひとくちに言ってボランティアのような集りです。もっと身近にアートに親しみ、心豊かな暮らしと街と八戸を、そして青森県を日本全国に、世界各国に発信させたいと考えています。みんなに参加して欲しいと思います。いいなと思ったら入って辞めたいときに辞めればよい、そのようなグループです。

 イカノフは、打上げ花火みたいな一回きりのものではなく、将来に繋げていけるような高い理念があります。しかし、私のように自分自身楽しめることで参加した人達もたくさんおります。いまメンバーは三十人程度ですが、今後千人とか一万人の集りになれれば、我が八戸がアートの面でも薫り高い街になれると大いに期待しています。


ICANOF=イカノフ宣言
 「イカノフ」がスタートしました。私たち自身がアートを楽しむために。まだ気づかない八戸の魅力を自分たちで掘り起こすために。未来のこどもたちのために。
 誰でも参加できるし、関わり方もそれぞれ、出入りも自由な集まりです。私たちの街「八戸」(=イカの腑)が今より素敵な街になったら、そこに住む私たちの心も豊かになるでしょう。
 異論反論がおおいに飛びかう、ゆるやかで、おおらかな、そしてエキサイティングな会を目指します。
代表・米内安芸、石橋智子、三浦文恵、キュレーター・豊島重之。


 ICANOFは、新しいメンバーの参加を呼びかけています。9月のメディア・アート・ショウのヴォランティアを募集しています。9月の写真ワークショップの参加者エントリーを受付けています。
■問合せ&詳細/ICANOF事務局・0178-45-9247
 http://homepage2.nifty.com/icanof/

イカノフ・パイロット・プロジェクト第一弾
 写真によるMEDIA ART SHOW「タイムラグ・ラグタイム展」
 写真に潜在するTIMELAG(遅れ)を、痛快な時間感覚(RAGTIME)として顕在化しよう、というユニークな美術展です。
●日程/2001年9月21日(金)〜30日(日) 計10日間
●会場/八戸市美術館(+国内外各地オンライン)
●主催/ICANOF(Interactive. Com. Art Now/Ol-Factory)
●共同主催/八戸市美術館
●内容
 ・写真とパソコンを用いたインタラクティヴなアート/招待アーティストによる「CD-ROMアート」など
 ・場所と嗅覚を発掘する写真フィールドワーク/招待アーティストによる「写真ワークショップ」など
 ・写真とセンサーを用いたインスタレーション

●招待アーティスト紹介
 港 千尋(写真家・批評家・多摩美術大学助教授)/サントリー学芸賞受賞
  1990年 コニカプラザ奨励賞受賞。
  1996年 著書「記憶 創造と想起の力」により、サントリー学芸賞受賞。
  1998年 メディア・アート作品「記憶の庭」で、MMCA「マルチメディア・グランプリ」受賞。

 金村 修(写真家)/土門拳賞受賞
  1996年 ニューヨーク近代美術館「世界の注目される写真家6人展」。
  1997年 写真家協会新人賞受賞。 第13回東川賞新人作家賞。
  2000年 史上二番目の若さで、第19回土門拳賞受賞。


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