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アミューズ(地元情報誌)2002年2月号掲載原稿

安達良春(八戸・創造集団パノラマ屋お頭/プラスワンシアター主宰)


打倒!「球田直下」!「劇団やませ」!


プラスワンシアターを始めて、もうすぐ2年になる。
長いのか短いのか解らないが、もうすぐ2年。
知名度はともかく、もうすぐ2年。
始めた時に「これはイケル!」と一人ほくそ笑んでから、もうすぐ2年。
休むこともあるけれど、もうすぐ2年。
2年か。2年も過ぎればいろんな事が変わっていく。
結婚した人もいる。
まったく会わなくなった人もいる。
新しく出会った人もいる。
市長も変わったし、新幹線は来るし、牛は足腰立たなくなるし、全日は大量離脱後も頑張ってるし、世の中確実に動いている様だ。

 でも、自分はどうだ?良くも悪くも相変わらずだ。でも年だけは確実にとっていく。このままズブズブと沈み込む様に年をとり、死んでしまうのも悪くはないのかもしれない。いやいや、それじゃダメだ。そんな考えを持つのはまだ早い。まだまだこれからだ。死ぬまで足掻き続けてやる。
 11月に「劇団やませ」の公演を観た。会場に入ってまずセットに驚いた。玄関、ドア、階段(実際に劇中で人が昇り降りする)と「家」がステージの上に建てられていた。そういえば「我が内なるラピュータ」も凄かった。内容もどっしりとした造りで最後まで安心して観ることができたし、周りの観客の評判も上々。ただ、今回の公演は柾谷伸夫先生の脚本ではなく劇団員の意見で選んだ脚本という事で、何よりもどんな題材の脚本なのか楽しみだったが、残念ながら自分はこの本で感動する事は出来なかった。しかしいずれにせよ30周年を迎えた老舗の名に恥じない舞台だったのは間違いない。同じ舞台に関わる者として負けてたまるかという気にさせられた。 
 12月には「球田直下(きゅうでんちょっか)」の公演があった。といっても「球田直下」という劇団ではなく、大地球さん、田中稔さん、長谷川直行さん、下崎博之さんの4人のユニットによる落語と芝居3本立てというちょっと変わったものだった。自ら「中年爆裂団」と名乗り八戸の舞台界に風穴を開けようと目論んだ(?)この公演が実際に風穴を開けたのかどうかはまだ解らないが、自分にとっては印象に残るものだった。何よりも「中年爆裂団」と名乗り、いろんなモノに対して「どうなんだ?」と問おうとした心意気というか、潔さというか、熱意というか…、それにあてられてしまった。こんなに元気でエネルギッシュなオヤジ達がいるならまだまだ世の中捨てたもんじゃない。八戸を(ほんのちょっとだけ)支えるオヤジ予備軍として、負けてたまるかという気にさせられた。

 どんなものでも生まれた瞬間から古くなっていく。その中で生き残っていくには飽くなき探求心と熱意のみ。センスだって磨けば光る…ハズだ、そう信じよう。プラスワンシアターはまだまだこれから、ガンバリマス。
 毎月第一金曜日はスペースベンにいつもとちょっと変わった一時を楽しみにおいで下さいマセ。

【プラスワンシアター】
毎月第一金曜日19時30分よりスペースベンにて芝居を中心に公演中。役者がしたい、自分の脚本を演って欲しい、ただ単に手伝って欲しい等、芝居に限らず参加者募集中。観る人も大募集。


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