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アミューズ(地元情報誌)2003年1月号掲載原稿

まれ ゆう(八戸・フリーライター)


とある一日〜新・幹線ステージ〜

 あるボランティアの奮闘記


 12月1日、JR八戸駅。ちょっと、ボランティアのふり。東西自由通路のあたりで、八戸の案内なんかしてみたりする。気まぐれ、ちょっとした気まぐれ、でも本気。新幹線も八戸まで来たことだし、もてなしの心とやら、なんとやら。手作りの腕章なんかしたりして。
 人、すごい人。24万の八戸ってこんな人いたっけって感じ。東京並?あんま行ったことないけど、そんな感じ、天気もいいし。
 フィクション、これから語るのは全てか一部かフィクション。
  ○
 10時
 二戸の観光案内所って、どこにあるの?って人が来る、感謝、感謝。あんた、どこ来たのって感じ、言葉には出せないけど。ナニャートですか?と私、何それ?とあなた。聞いたのは、あんたでしょ。続けて、いわて沼宮内の案内所は?とあなた。私知らない、私、謝る、あなた許さず怒り納まらず。八戸の情報お知らせしようと思ったのに、逆効果?少し反省、でもあなたどこ行きたいの?
  ○
 11時
 地元の人らしき人、近づく。なんでここには蕪島のポスター貼ってないの?と、この人。貼ったのはJRさん、私知らない。でも、謝る。一級品の蕪島をPRしないで、どうすんの?と、この人。おっしゃるとおり、ごもっとも。でも貼ったのは誰?訳わかんない。何で私、怒られてるんだろ。
  ○
 12時
 地元の人らしき人、近づく。なんでここには種差のポスター貼ってないの?と、この人。貼ったのはJRさん、私知らない。でも、謝る。一級品の種差をPRしないで、どうすんの?と、この人。おっしゃるとおり、ごもっとも。どこ行っても、蕪島のポスターばかりね、とこの人。でも貼ったのは誰?訳わかんない。何で私、怒られてるんだろ。でも、蕪島って、種差海岸の一部じゃない?蕪島と種差って、敵対するものだったと知らされる、メモ、メモ。
  ○
 13時
 近くの食堂から、カップル出てくる。なんか凄い勢い、ドンドコドン。私に向かってくる、なんかヤバイ。口に合わなかった、とそのカップル。あ、そ。店にクレームを入れても取り入ってくれない、とそのカップル。すみません、と何故か私。どうなってんの、とそのカップルの怒り納まらず。何を食べられたんですか、と何故か私。何だっていいだろ、とそのカップル。訳わかんない。あれ?あんたらの飯作ったの私だったっけ?でもここは、おもてなしの心、おもてなしの心、八戸人として。でも、なんで飯作った人が怒られなくて、私怒られてるんだろ。
  ○
 14時
 八戸出身で、東京在住、ら・し・き人、近づく。なんか、ねちっこそう、やはりやはり、案の定。何で古牧温泉の客引きばかりが改札にいるの?と、その人。私、古牧温泉の人間じゃない、でも営業努力じゃないの?新幹線八戸開業で、一番喜んでいるのは誰だと思う?と、その人。当然、八戸以外のホテルよ、とその人。はぁはぁ、そうですか。八戸のホテルよりも、周辺のホテルの方が満室でしょ、とその人。一理あり。でも、この人分析だけ、何も仕掛けない。このままじゃ八戸はね、とその人。あんたみたいな人ばっかりじゃね、と私、心の中。
  ○
 15時
 謎の女性近づく。はやて内の車内販売のメニューを全部教えろ、とその人。私、NREの職員じゃない。JRに問い合わせたがラチがあかない、とその人。そりゃそうでしょう。案内しようとしてるのにそんなのも知らないの、とその人。じゃああんた、同じ町内に住んでる人の名前全部言えるんですかって感じ。でも、もしかして言えたりして。潔癖症なのか、駅弁だけでなく、おつまみ類も把握していたいみたい。マニア?謎が謎を呼ぶ人種、おもしれー。でも私、謎の人物マニアじゃない。
  ○
 帰ろ、帰ろ、犬が歩いてる、なんか淋しい気分。おもてなしの心って、耐えることなのね、と、メモメモ。立場的に耐えなきゃいけないものはイジメられるのが基本なのね、と、メモメモ。
 でも、楽しかったわーん、わん。
 地元と、地元の人を愛し、プラス思考で動いている人も、確かにいた、よな、気がしてSMAP。
 +思考しても、−思考していても新幹線は、来てるのよねー。


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