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アミューズ(地元情報誌)2001年9月号掲載原稿
亀本光弘(ICANOFアート・ディレクター) |
新たな自分との出会いのチャンス |
さあ、9月。何か面白いことないかなァという人は、9月21日(金)から30日(日)までの10日間、八戸市美術館を中心に開催される「タイムラグ・ラグタイム展」に注目。 ところで「タイムラグ・ラグタイム展」って何? それは、写真によるメディア・アート・ショウです。写真と他のメディア、例えば、詩、ビデオアート、演劇、映画、建築、インターネット、CD-ROMアート、音楽などとの出会いによって新たな面白さを発見しようという試みです。今年発足した市民ボランティアによるアート・サポート・チームICANOF主催のプロジェクト第一弾。それぞれの分野で活躍しているアーティストや詩人、写真家、批評家がたくさん八戸にやって来て、様々なメディア・アートを展開します。 メイン・プログラムのご紹介 その1 たくさんあるプログラムの中で、もっともエキサイティングな企画になりそうなのが吉増剛造、港千尋、金村修の三氏によるワークショップ。日本現代詩の第一人者吉増剛造氏は、二重露光写真やポラロイド写真の作品でも知られ、詩人ならではの感性ある写真を発表している。港千尋氏は、サントリー学芸賞受賞者であり、『考える皮膚』『記憶』『遠心力』などの様々なテーマの本を著している世界を駆け巡る写真家。金村修氏は、土門拳賞受賞者であり、1996年ニューヨーク近代美術館企画展で「世界の注目される写真家6人」にも選出され 、独自のモノクロ写真を撮り続けている今最も注目されている若手写真家。ワークショップは、この三氏と一緒に写真を撮るというめったにないチャンス。単に展示された作品を見るだけとは違い、「その時」「その場所」を共有した者でしか味わえない発見がきっとあるだろう。只今、参加者募集中。 メイン・プログラムのご紹介 その2 そして、もう一つのおすすめは、メディア・アート・ショウ「カピバラ」公演。日本だけではなく、フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国など海外公演も数多いモレキュラー・シアターによる新作が、ダンス・バレエ・リセで9月22日(土)から合計6回上演される。S・ベケットや日本の詩人数人の作品をテキストとして構成される今回の公演は、出演者もダンスアーティスト、メディアアーティスト、フォトグラファー、DJなど様々な分野の人たちなので新たな展開が期待できる。写真と演劇、そして詩とネット・イメージの出会いによって、きっとワクワクするようなメディア・アートが出現するでしょう。 その他、美術館ではロバート・フランクのヴィデオ上映、いくつかのスライド・ショウやトーク・セッションが、またスペースBENでは、佐藤真監督の新作映画の上映などが予定されている。 この企画展は言わばメディアとの出会いがもうひとつのテーマでもある。それは、作品との出会いと言うだけではなく、人との出会いであり、出来事との出会いであり、そして何よりも新たな自分との出会いである。「タイムラグ・ラグタイム展」は、「モノ」ではなく「コト」との出会いの場なのです。 アクセス: ワークショップ参加希望または、プログラムの詳細は下記まで ホームページから〈http://homepage2.nifty.com/icanof/〉 Tel.090-2998-0224 Tel&Fax 0178-45-9247 (ICANOF事務局) 9月のTIMELAG/RAGTIME展メイン・プログラム 21日(金)<八戸市美術館>1〜3pm 金村修スライド・ショウ&ワークショップ(以下WS) 5〜7pm ロバート・フランク・ヴィデオ上映&倉石信乃トーク <スペースBEN>3:30〜4:30pm「SELF AND OTHERS」(佐藤真監督)上映 <天聖寺ホール>7:30pm パーティ&パフォーマンス 22日(土)<スペースBEN> 0〜1pm 「SELF AND OTHERS」上映 <八戸市美術館>1pm 岡村民夫トーク「ニーチェ/保養者の光学」/ 金村修WS/石井達朗トーク「サンクチュアリと トランスセクシュアリティ」/「トーク・セッション(1)」 23日(日)<八戸市美術館>0:00pm R.フランク・ヴィデオ上映/金村修WS 3:30pm八角聡仁トーク「牛腸茂雄の写真と佐藤真の映画」 /「トーク・セッション(2)」 <スペースBEN>2:30pm「SELF AND OTHERS」上映 24日(祝)<スペースBEN>0:00pm「SELF AND OTHERS」上映 <八戸市美術館>1:00pm 港千尋WS/トランス・セッション 28日(金)<八戸市美術館>4:30pm R.フランク・ヴィデオ上映 /野村喜和夫トーク「詩を書くことと写真を撮ること」 /吉増剛造・野村喜和夫トーク 29日(土)<八戸市美術館>1pm 松井憲太郎トーク&ヴィデオ 「マレーシア演劇とのコラボレーション」 /吉増剛造WS /稲川方人8ミリ上映+トーク /吉増剛造・稲川方人トーク 30日(日)<八戸市美術館>0:30pm 吉増剛造WS/「トーク・セッション(3) ) 写真によるメディア・アート・ショウ「カピバラ」公演 ▲カピバラとは:南米の大湿原パンタナルに棲息する「川ねずみ」のこと。地球温暖化によって水没寸前の人類の様相が、このカピバラに託されている。 ▲コンセプト・舞台美術・構成演出・音光デザイン・出演/豊島重之 ▲出演/ニコル・ホルト、キム・ヌリ、キム・ヨンフェ、大久保一恵、田島千征、横田由貴子、宮崎睦子、山内雅一、苫米地真弓、菅原美保子、吉田亨、ディーター・ホフマン and others ▲上演日程 9月22日(土)8:30〜9:30 pm 23日(日)7:30〜8:30 pm 24日(祝)5:30〜6:30 pm 27日(木)8:00〜9:00 pm 28日(金)8:00〜9:00 pm 29日(土)8:00〜9:00 pm ▲会場:ダンス・バレエ・リセ▲入場料:3,500円(学生 2,000円)▲要予約・問合せ:090-2998-0224/mol@r66.7-dj.com(ICANOF事務局・高沢) |
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