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アミューズ(地元雑誌)5月号掲載原稿

文:田中勉(八戸・スペースベン)

 演劇トーク : 司会 田中勉

 −−えー、今回は、これからの
FANSの運営に関して協力いた
だく山田景子さんと、安達良春さ
んにお出でいただいております。
 どうもお疲れ様です。
山田「お疲れ様でーす。」
安達「こんばんは。」

 −−山田さんと安達さんには、
FANSにも度々出演いただいて
いましたが、昨年十一月には三百
回を迎えたということもあって、
何か新しい展開を図っていくため
に企画をお願いする運びとなった
訳ですが、今現在、何か「こうい
う風にしていきたい」みたいなも
のはあるんでしょうか。
山田「そうですね、特に“こうい
 う色を出していきたい”みたい
 なものはないんですけど、例え
 ばトークライブみたいなものを
 するとか、枠にはまらないもの
 をやっていきたいですね。演劇
 を目的とするのではなく、手段
 として色々な角度からみてみた
 いです。」
安達「私は、創造集団パノラマ屋
 という集団のお頭で、演劇とい
 うものはあまり詳しくないのか
 も知れませんが、以前ここで、
 写真展もやったことがあります
 し、演劇の上演もしたことがあ
 ります。その中で感じたのは、
 極論すれば、“面白いことはや
 った者勝ち”みたいなところは
 あるんだと思います。面白いこ
 とというのは、それぞれ個人で
 違うとは思うんですが、とにか
 く面白いこと、面白いと思われ
 ることを何かやっていきたいで
 すね。」
山田「前にもここでやられていた
 企画だとは思いますが、高校生
 のマンスリー公演のようなもの
 も面白いと思いますし、さっき
 とは逆で変な言い方になるかも
 しれませんが、ガチガチに枠に
 はまった物も観てみたいし、や
 ってみたい。とにかく、いろん
 なことがしたいですね。」

 −−私もいつも思ってることで
すが、表現する上で、“自分はこ
ういうことをして行かなければな
らないんだ”的なことを思って、
自分に制限を加えて、表現する上
で不自由になってしまっている人
が多いような気がするんですけど
どうなんでしょうか。
山田「それについては、よく分か
 りませんが、何かを突き動かし
 変えていこうとする新しい動き
 が出てきたときは、その行動に
 対して批判する人が多いですよ
 ね。何かを変えて行くためには
 外から批判ばかりするのではな
 く、一緒になって考えるという
 か、一緒に活動するという意味
 ではなく、んー、うまく言えな
 いんですけど、現状の何の問題
 があったから、こういう新しい
 動きが出てきたのかを考えるこ
 との方が大切な気がするんです
 けどね。」
安達「そうですね。何かを思って
 新しい動きが出て来るのは確か
 でしょうね。でも、それを続け
 ている内に、不自由になってし
 まう人もいるのかも知れません
 よね。」
 −−自分の道を信じている人と
いうか、頑固な人は、話の筋道が
通っているから、逆にタチが悪い
ところがありますもんね。

山田「ところで、私達も企画運営
 に参加していく訳ですけど、ベ
 ンさんは、これから何か考えて
 いることはあるんですか?」
ベン「そうですね、別に楽をしよ
 うと思ってる訳じゃなくて、今
 まで走り続けていた感もあった
 し、一人でやってると、気が付
 かないうちにズレも生じてきて
 るんだと思うんですよね。だか
 ら、二人の協力が得られるのは
 本当に有り難いし、これまで2
 作品を上演した、プロデュース
 団体のテアトロベーの公演も続
 けていきたいと思ってます。こ
 れまでテアトロベーの脚本は、
 イージーシアター我楽多屋の長
 尾さんに書いていただいていた
 んですが、私自身も脚本を書い
 てみたいですし、出演もし続け
 ていきたいと思っています。」
安達「当然、私達がベンさんにF
 ANSへの出演を依頼すれば、
 何にでも出てもらえるんですよ
 ね。」
ベン「そ、それは…」
山田「それは当然ですよね。」
ベン「は、はい。分かってます」
安達「当然、私達がベンさんにF
 ANSへの脚本を依頼すれば、
 何でも書いてもらえるんですよ
 ね。」
ベン「そ、それは…」
山田「それは当然ですよね。」
ベン「は、はい。分かってます」
安達「ともかく、私達3人は運命
 共同体でもなんでもない訳で、
 別にベタベタした関係じゃない
 んだから、言いたいこと言って
 やりたいことやってきましょう
 ね。」
山田「そのとおり。ベンさん、今
 までより忙しくなるかもよ。」
ベン「は、はい。」 

 −−ともかく、これからもFA
NSは、派閥をつくらず、楽しい
ことを求めてアンテナを張りめぐ
らせ続けていきます。

鼎談模様


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